今回の急落を招いた原因に関しては、正確なところは誰にも分からない。従来型の金融業界の専門家は、株の割高感や大企業のぱっとしない業績、目下の景気減速への懸念が下落の原因だと主張している。ニューヨーク・タイムズは、コストの上昇やトランプ米大統領が起こした貿易戦争、給与の引き上げが利益に悪影響をもたらすことへの懸念からこの数週間、小売業の株価が下落していると伝えた。ウォールストリート・ジャーナルは、「世界の貿易政策や、テクノロジー企業の株がそろって値を下げていることに対する不安」が原因だと指摘した。

対照的に仮想通貨の世界では、下落の理由は証券取引委員会(SEC)の規制強化への懸念やビットコイン・キャッシュの分裂騒ぎ、それに半導体メーカーのエヌビディアとAMDの業績が振るわなかったこと(仮想通貨マイニングに関心を持つ人が減ったことを意味する)にあるとされている。つまり以前からロングハッシュが指摘してきたとおり、株価は実社会の事件の影響を受けることが多いのに対し、仮想通貨の相場は仮想通貨関連のニュースに影響を受ける傾向があるということだ。

株式市場が今後どうなるかを予言するのも、仮想通貨の相場が将来的にどう動くかを予言するのも同じくらい難しい。だが明るい材料を探すとすれば、少なくとも今回の下げ相場に関しては、痛い目に遭ったのは仮想通貨の投資家だけではなかったということかも知れない。

(記事提供:LONGHASH)

  • 1
  • 2