さらに目抜き通りを進むと、やがて大きな時計塔が立つナロドゥニ広場にたどり着きます。広場にはカフェやレストランのテーブルが並び、お昼時や夜になると食事にやってきた人々の楽しそうな声が周囲に響きわたります。

ナロドゥニ広場周辺では、路地裏散策も楽しみのひとつ。旅情ある狭い路地がいくつも張り巡らされ、奥へ奥へと進みたくなってしまいます。

広場をさらに東へ進むと、たどり着くのは5つの井戸広場。広場に並んでいる5つの井戸は16世紀、オスマントルコ軍に包囲された際に水源を確保する目的で掘られたものです。

広場の背後にある公園からみえるのは、町の入り口だった城門。ヴェネチア統治時代の16世紀に、オスマントルコの侵入を防ぐ目的で建設されました。ザダルは「ザダルを制する者はダルマチアを制する」と言われるほど古くから重要視され、それ故敵からの攻撃も多かったのだといいます。

のどかな港からは、かつてはここが激しい攻防戦の舞台になったなんてとても信じられませんね。

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