オーストリアに拠点を置くフィンテックベンチャーBitpandaが、新たな資金調達ラウンドで2億6,300万ドルの資金を調達したことが明らかになり、同社の評価額は41億ドルとなった。
Bitpandaは、PayPalの創業者ピーター・ティール氏が共同設立したベンチャーキャピタルであるValar Venturesの支援を受けており、今回のラウンドもValar Venturesが主導したようだ。Valar社がBitpandaを支援するのは、9月に発表された最初の大規模な資金調達ラウンド以来、3回目となる。今回のラウンドでは、Valar社のほかに、ヘッジファンドマネージャーのアラン・ハワード氏やREDOベンチャーズも新たに参画した。
Bitpandaは2014年に暗号資産(仮想通貨)取引所として設立されて以来、オーストリアのウィーンに本社を置いている。現在は、株式や暗号資産、貴金属、ETF(上場投資信託)などを取引できるプラットフォームを開発・運営しており、ユーザー数は300万人を超えている。同社はヨーロッパでのみ事業を展開しており、今回の資金は、フランス、スペイン、イタリア、ポルトガルなどの主要市場での事業拡大に充てるようだ。
同社は今年、ユーザーが24時間体制で株式を取引できるサービスを試験的に開始しており、共同創業者兼共同CEOであるエリック・デマス氏はCNBCのインタビューの中で、「株式の提供は今年末までに準備できるだろう。」と述べた。ユーザー数は、RobinhoodやRevolutよりも大幅に少ないが、株式サービスを提供することになれば更なるユーザーの増加が期待できるという。また、同氏は上場について、「まだ何も決まっていない」としながらも、SPAC(Special Purpose Acquisition Company)との合併については強く否定した。