9月25日から27日まで、東京ビッグサイトで開催された第46回国際福祉機器展。昨年は述べ12万人近い入場者数があり、今年もそれに匹敵するほど多くの人が会場を訪れた。車椅子の方を多く見かけたのも、この展示会の特徴だろう。
国内外の数多くの企業が出展したこの国際福祉機器展。「ひとりにいい、みんなにいい、ずっといい」をスローガンにする建築材料・住宅設備機器の株式会社リクシルも出展。リクシルのブースで多くの人が足を止め注目していたのが、初お披露目となった「トイレからのお便り」の展示だった。
この「トイレからのお便り」は、今後さらに加速する高齢化社会における取り組みとして、排便管理の重要性に着目したシステムだ。
「お通じは健康のバロメーター」と言われている。高齢者施設での入居者のお通じの管理をAI技術によってサポートするのが「トイレからのお便り」。便器につけたカメラでお通じを撮影。その形や大きさを自動で判定して記録する。その状況がステーションで一括して確認できる。
今までは、お通じをユーザーが自分で入力するというアプリがリリースされたけれど、高齢者でなくとも 目視して、その状態を判断して入力してというのはなかなか難しい。自分のお通じを人に見られることが恥ずかしいと感じる方も少なくない。その問題を解消してくれるのが「トイレからのお便り」。日常の体調の目安としてのお通じ。それが便りとなっていろいろなことを教えてくれる。
「お披露目できるところまでに到達するのに、リクシル社員の3000もの便の画像を収集。それだけの数を集められることで、はじめてAIによる自動判定が可能になったという。
「トイレからのお便り」は現在研究開発中のシステムで、2020年の春をめどに高齢者施設で実証実験がスタートする予定だ。このシステムがどう実用化されていくのか。入居者ひとりひとりの健康的な生活のサポートにもつながるに違いない。