乗務員の“ナッツ”の出し方に激怒し、自身が副社長を務める「大韓航空」の航空機を引き返させたことで有名になった通称ナッツ姫ことチョ・ヒョンア氏(43)の妹にパワハラ疑惑が浮上した。姉がナッツ姫なら、妹は「水かけ姫」として韓国内で大きな騒ぎになっていることが17日放送の『とくダネ!』(フジテレビ系)で取り上げられた。

ナッツ姫の“妹”こと、チョ・ヒョンミン氏(34)は、父がオーナーである大韓航空の専務で、自社の広告宣伝などを担当しているという。

そんなオーナー令嬢によるパワハラ疑惑が浮上したのは先週の12日、韓国のネットの匿名掲示板に書き込まれたパワハラ告発がきっかけだった。

その匿名掲示板に、「大韓航空のチョ・ヒョンミン専務が今年3月、取引先との会議で担当者が自分の質問に答えられないと激昂。コップの水をかけ会議室から追い出した」という告発がされると、「私もパワハラを受けた」という被害報告が殺到し、取引先の相手に水をかけたことに絡めて「水かけ姫」と名付けられ、ソーシャルメディア上が炎上した。

そして、さらに現地メディアが、大韓航空社内で録音されたという音声データとして、チョ・ヒョンミン専務が幹部クラスの社員に対し「この人何なの?」「私がお前に向かって聞いているんだ」「私に向かってなんなのよ」「もういい! 出て行け」と感情むきだしの大声で罵倒している音声を公開すると、テレビでも彼女のパワハラ疑惑が問題視されるようになり、現在、韓国内で波紋が広がっているという。

番組では、水かけ姫の自分の立場を利用した横暴ぶりを追及。「チョ専務は、出迎えた取引先の社員にキーを投げつけ駐車させていた」「社員が、チョ専務に『背が高いですね』と言っただけで左遷さえられた」「名刺を渡してきた社員に『平社員の端くれが名刺?』と、その場で名刺を投げ捨てた」など、パワハラ疑惑の目撃談の報告が続出していることを明らかにし、ある大韓航空社員の声として、「パワハラは日常茶飯事。彼女の怒鳴り声が聞こえてくると『また始まった』という感じ」という訴えを紹介した。

この騒動について、朝鮮半島事情に詳しい龍谷大学の李相哲教授によると、チョ・ヒョンミン専務について、「とにかく物を投げつける人物として有名」と明かし、過去にも、「ペンや車の鍵、灰皿」を投げつけるなど、これまでは表面化してこなかったパワハラ実態を明かした。

なお、韓国ではチョ専務をパワーハラスメントの疑いで警察が調査を開始。これを受け大韓航空は16日、彼女を「停職処分」としたことを発表している。