毎年恒例の米TIME誌が選ぶ『世界でもっとも影響力のある100人』に安倍晋三首相(63)が選ばれ、「日本経済を甦らせた」と評価されていたことが分かり、日本国内でも話題になっている。

米TIME誌は、4月19日に「タイム100」を発表。日本からは安倍首相とソフトバンクグループ会長・孫正義氏(60)の2人が選出された。この企画は「世界で最も影響力のある100人」として知られ、leaders(指導者)、artists(アーティスト)、pioneers(先駆者)、titans(巨匠)、icons(象徴)の5部門から20人づつが選ばれるというものだ。

安倍首相が選ばれたのは、leaders部門。各国首脳では米国・トランプ大統領(71)や中国・習近平国家主席(64)、さらに北朝鮮・金正恩朝鮮労働党委員長(34)や韓国・文在寅大統領も選ばれた。安倍首相の選出は4年ぶり、2度目(前回は14年)となっている。

安倍首相は同サイトの紹介ムービーでも一番最初に登場しており、数ある人物の中でも注目度は高いと見られる。人物評では、「自信に満ち、力強い指導力で日本経済をよみがえらせた」と経済面での功績を高く評価され、さらに「柔軟性があり、他者の視点を取り入れる」と人柄を讃えられている。昨今、国内メディアや野党から北朝鮮問題について「蚊帳の外」、経済政策については「効果なし」などと揶揄されてきた安倍政権だったが、海外メディアの反応はまるで違ったようだ。

このニュースは良くも悪くもソーシャルメディアで話題になった。「さすが世界のアベ。過小評価は野党とマスコミだけ」「これが世界の当たり前。アベノミクスを評価する声は海外の方が高い」「少なくとも対案も出さずに口開けたら批判ばっかりで足引っ張っるしかしない人は選ばれない」「朝日新聞が悔しそうに”支持率が低下する中”というフレーズを入れ込んでて面白かった」と素直に喜ぶ声が多かったなか、「なんのブラックジョーク? 皮肉なのでは?」「トランプや金正恩も選ばれてる。去年は小池百合子も出てたよね。その意味を考えれば…」「タイムまで忖度したか」などとネガティブに捉える意見も見られた。

ちなみに、安倍首相の人物評を担当したのが、かつて親中派として知られたオーストラリアのマルコム・ターンブル首相だったことも話題になっている。同氏は潜水艦受注をめぐり、中国の影響でフランスを選んだと報じられたこともある人物。中国の太平洋地域進出を見越した豪の利害関係による思惑があるにせよ、そんなターンブル氏が手放しの絶賛をしているのは少々意外だったとも言える。

安倍首相は20日の午後、北朝鮮問題での方針一致、拉致問題での約束など、実りある成果を手に日本に帰国する。政策を高く評価をしてくれる海外から問題が山積する国内への帰路はさぞや気が重いに違いない。