油の中に入れた豚肉は、店主が片時も目をはなすことなく火加減を調整し、15分程度じっくりと揚げられる。そして油の中から引き上げられたトンカツは余熱によってゆっくりと熱が加えられるのだ。

そんな手塩にかけて、おいしいトンカツに育てられたトンカツは、まさに芸術品と言っても過言ではないような真っ白なトンカツとなっており、見た目からも他のトンカツとは一線を画す。

そして、実際にひとくち味わえば、このトンカツが見た目だけではない事がはっきりと分かる。

衣はサクッと香ばしく、しっかりと食べ応えのある豚肉の味わいを感じるのだが、その刹那、口の中いっぱいに豚肉のウマミが溢れ出し、トンカツがまるで消えてなくなるかのような感覚を覚える。と同時に、豚肉がもつ本来のウマミや香りを後味としてしっかりと残してくれる。

まさに、至高のトンカツがここにはあるのだ。

・ロースも絶品だが「シャ豚ブリアン」もオススメ
こちらのお店では美味しいロースのトンカツもオススメなのだが、豚肉のヒレのなかでも、最も柔らかい部位をつかった「シャ豚ブリアン」のカツもオススメ。

はちきれんばかりに美味しい肉汁をたたえた「シャ豚ブリアン」のカツは、ひとくち噛み締めると一気に口の中に肉汁が弾け飛ぶ、まさにトンカツでありながら、小籠包のような料理となっている。

ヒレ独特のしっかりとした噛み応えのある豚肉の食感に、肉本来が持つ強いウマミ、そしてジューシーな肉汁が一気に口の中に広がったと思ったその瞬間に、まるで溶けてなくなってしまうかのような感覚を覚える、美味しさが強く後引く味わいとなっている。

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