愛媛県の学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題を巡る問題で、10日に行われた柳瀬唯夫元首相秘書官の参考人招致を受け「疑惑は深まった」と感じた人がJNN世論調査で74%いることが『あさチャン』(TBS系)で取り上げられた。しかし、その一方で、内閣支持率は40.6%と、前回の調査よりも上昇。これに対し、元TBSの政治部長で、流通経済大学教授の龍崎孝氏は加計問題と世論調査をからめ「国民は政権から甘く見られていることに気づくべき」と、政権を批判した。

この問題は、安倍総理大臣の友人が理事長を務める「加計学園獣医学部」新設問題を巡り、先週、柳瀬元首相秘書官の参考人招致が行われ「3年前、加計学園の関係者と2015年に計3回、官邸で会った」ことを認めながらも、愛媛県や今治市職員の同席には「随行者の中にいたかもしれない」という発言にとどめ「名刺などの記録は残っていない」と答弁した。また、安倍首相に対し「報告したことも指示を受けたことも一切ない」と、総理の関与を否定していた。

柳瀬氏の参考人招致を受け、与党からは「一定の区切りがついた」としていう声があがっているが、野党からは「疑惑は深まった」としている。

番組では、「世論 加計問題『疑惑深まった』74%」と題し、流通経済大学の龍崎教授が、加計問題で国会が紛糾するなか安倍内閣の支持率が40.6%あることに対し「アベノミクスが一定の成果を上げているので、こうした経済の状況が安定していってほしいという、このように考えている人が2割くらいいるのではないか」「安倍総理の元で憲法改正をぜひすすめてほしい。こういう方も1割くらいいるんじゃないか」「こういう底堅い支持の人たちが、この40%(という支持率)を支えていると考えていい」と断言。だがその一方で、龍崎氏は安倍首相の支持率が上昇していることよりも、加計問題を前面に押し出し「今回の(世論)調査で気になるのが、柳瀬さんの参考人招致を受けて『疑惑が深まった』という方が74%もいたということですね」と強調し、「国民は政権から甘く見られているのではないかと。こういうふうに考えるべきだと思いますね」と持論を展開した。

そして「こうした政権を生んだのも、昨年の選挙で私たち有権者が安倍政権に多数を与えた結果であるとも言える。我々の判断がこういう状況を生んでいるということを、私たちも自覚をしないといけない」と、まるで有権者が悪いというような一方的な論調で、安倍政権の支持者にまで猛省をうながす始末。これを受けて、番組MCの夏目三久もただうなずくだけで、報道の中立性とは、かけ離れた場面をうかがわせた。