南仏コート・ダジュール地方の町、ニースとマントンのあいだに位置するモナコ公国。

世界で2番目に小さいミニ国家であるものの、「地中海の宝石」と呼ばれる美しい風景に加え、カジノや高級ホテルが建ち並ぶこの町は、セレブ御用達の高級リゾートとしてその名を馳せています。

F1世界選手権「モナコ・グランプリ」が開かれ、町なかではセレブの高級車が当たり前のように走っているモナコ。車好きなら大興奮間違いなしのこの国にぴったりのミュージアムが、「レニエ公クラシックカーコレクション」です。

世界に自動車博物館は数あれど、この博物館が特別なのは、ここに展示されている車がレニエ3世のプライベートコレクションであるということ。

レニエ3世は2005年に他界したモナコの前大公で、ハリウッド女優として人気絶頂だったグレース・ケリーをモナコ公妃に迎えたことで世界中から注目を浴びました。

大変な車好きとしても有名で、このミュージアムはレニエ3世が30年以上をかけて個人的に収集した車をコレクションの中心としています。

レニエ3世のコレクションに加え、シャルル3世やアルベール1世、ルイ2世など、ほかの公族によるコレクションも加わり、4000平米の空間に100台以上の自動車と馬車が展示されています。

「レニエ公クラシックカーコレクション」の名の通り、コレクションの中核をなすのは、ヨーロッパやアメリカのクラシックカーの数々。展示されている車はどれもピカピカに磨き上げられていて、一台一台に魂が吹き込まれているかのようです。

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