二つ目は「IEEPA法」(国際緊急経済権限法)の採用である。安全保障・外交政策・経済に対する異例かつ重大な脅威に対し、非常事態宣言後、金融制裁にて、その脅威に対処するという法律であり、議会の承認なしで、脅威となる対象の米国内での経済活動や金融取引を制限又は禁止できるという法律である。そして、金融取引の対象には資産の凍結や没収まで含まれているのである。

つまり、大統領が宣言し大統領令を出すだけで、相手を徹底的に潰すことができるのである。米国のISやイランなどへの金融制裁はこれを根拠に行っているわけだ。米国は中国からの先端企業への投資に対して、これを適用しようとしているわけだ。

これに先立ち米国下院は、外国投資を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)の権限を拡大する法律を絶対的多数で可決しており、これは上院も通過する予定になっているのである。

通商法301条は、7月6日から発動される予定であり、これが予定通り実施されれば、米中の貿易戦争は後戻りのできない状況になるのだろう。そして、これは始まりに過ぎないといってよいのだろう。米国は「中国の自由市場からの排除」を始めたのである。

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