災害派遣時にも着用される自衛隊の「迷彩服」は、はたして「戦争を想起させる」と禁忌されるようなものなのか。共産党の身勝手な横暴にネット上で非難が集まっている。

埼玉県鴻巣市にある「エルミこうのすショッピングモール」で開催が予定されていた自衛隊のイベントが急遽中止となったことを、16日、自衛隊・埼玉地方協力本部が発表した。同イベントでは、「夏休み特別企画! 自衛隊と警察ふれあいフェスタ2018」と題して軽装甲機動車の展示のほか、オリジナル缶バッジプレゼントや子ども用迷彩服の試着体験などが予定されていた。

この中止の背景には、ある共産党市議からの要請があった。抗議を行ったのは日本共産党・鴻巣市委員会ほか、同市議団、平和遺族会鴻巣支部、新日本婦人の会鴻巣支部、そして市民有志ら。抗議の内容は、「同イベントが市民の目につく商業施設で行われること」や「子どもへの迷彩服の試着が違和感を感じること」「迷彩服や装甲車が戦争を想起させる」などというもの。15日にこの抗議を受けた同モールの館長は、すぐに自衛隊にイベント中止を申し入れたようだ。

しかし、このイベントは行政機関が主催するイベントでも何でもない。民間が運営するショッピングモールのイベントを一方的に封殺することが果たして許されるのか。SNSや掲示板には「まるで独裁者みたい」「楽しみにしていた子供たちが可哀想だ」「「迷彩服が戦争を想起させる」という論調が成り立つのなら、赤旗も粛正や人民の虐殺、抑圧を連想させますね」など多くの批判が上がっていた。

そもそも専守防衛を旨とする自衛隊の迷彩服(これも国民の税金で賄われる官給品である)を「戦争を想起させる」とするのは飛躍も甚だしい。しかも、迷彩服は災害派遣時にも着用される「作業服」である。今月12日に、西日本豪雨災害で被害を受けた真備町の支援で派遣されていた陸上自衛隊が撤収する際、女子児童が「寂しい」と泣いて抱きついた自衛官の制服も「迷彩服」だったではないか。

消防庁レスキュー隊がオレンジ色の制服を着たり、警察官が活動服や出動服を着ているのと何ら変わらない。この制服をもって、活動を阻害・制限されるのならば、それこそ”職業差別”ではないのか。

自衛隊は8月だけでも(陸上・海上・航空をあわせ)20以上のイベントを各地で行っている。もちろん目的は「一般の人々にとって自衛隊が身近な存在になり得るため」(自衛隊広報)であり、少年たちを中心に人気を博している。この少年たちの楽しみを奪う権利も共産党にはないはずだ。

「戦争を想起させるから子供から遠ざける」のは教育の片面のみであり、教育者の思い上がりである。昨今の近隣諸国との緊迫状態の中、国防を担う自衛隊の仕事を子供達に教えるのも、教育の一面のはずだ。これ以上「意にそぐわないものは排除する」という姿勢を子供達に見せるはやめにしてもらいたいものだ。