たくさん人が住む場所にはおいしい市場があり、その地域や国の名物がその市場から生まれています。
例えば、日本には世界的にも築地市場やフグで有名な山口の唐戸市場があり、世界に目をやれば、イギリス・ロンドンにはロンドン最古のフードマーケット「バラマーケット(Borough Market)」や、カナダ・トロントにある200年以上の歴史を持つ市場「セントローレンス市場(St.Lawrence Market)」、ポルトガルのポルト市民の台所「ボリャオン市場」など、世界的に有名な都市には、その都市の胃袋を支える市場が存在します。
そんな市場には、家庭の主婦やレストランのコックさんたちが通う、その街の日常があって、本当のその土地の生活の一部が覗けるはずです。
もちろん「ドナウの真珠」と呼ばれる美しい街、ハンガリーの首都ブダペストにも、この場所ならではの生活を支える市場が存在しています。
それが今回ご紹介するブダペスト中央市場(Nagy Vásárcsarnok)です。
・1897年に完成した美しいマーケット、それがブダペスト中央市場
こちらのマーケット、なんと1897年(明治30年)に完成した非常に美しい建物。
1897年(明治30年)と言えば、日本では古社寺保存法が制定され、日本初の「国宝」として法隆寺金堂や中尊寺金色堂などが指定された年。
世界ではアメリカがハワイを併合し、ドイツのディーゼルがディーゼル機関を完成するなど、現在までつづく世界の潮流が産まれつつある時代でした。
そんな時代に産まれた美しい中央市場は、今なお、多くのブダペスト市民に愛され、多くの旅行者にも愛されています。
・1階は食材販売、2階は食堂の美しい市場