アルゼンチン・ペソの価値が急落するなか、アルゼンチンでは仮想通貨市場が拡大している。同国内ではビットコインを売買するためのATM(現金自動支払い機)導入数も大幅に増加する予定で、2018年末までには、利用できるビットコインATM台数は30台に及ぶ見込みであることがロイターの報道により明らかとなった。

米仮想通貨事業大手のアセナ・ビットコイン社は先月、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスにあるショップングモールで初のビットコインATMを設置したという。また、ATMの開発を手がける米オデッセイ・グループは年末までにアルゼンチンで150台のATMを設置することを目標としており、そのうち80%は来年1月にビットコインATMとして稼動するとみられている。

個人間でビットコインを売買するためのプラットフォームであるローカルビットコイン(Localbitcoins.com)上において、アルゼンチン・ペソ建てによるビットコイン取引量は2018年9月以降から大幅に増加している。2018年1月6日週には週間約416万アルゼンチン・ペソであった取引量は、2018年9月8日週には約693万アルゼンチン・ペソと、約1.7倍に伸びている(コインダンスより)。

経済危機が深刻化する国における仮想通貨市場の拡大の例としては、ハイパーインフレに悩むベネズエラでも、ビットコインの取引量が記録的水準で増加している。ローカルビットコイン上におけるボリバル建ての取引量は、2018年1月6日週の329万ボリバルから、2018年9月8日週には5億8000万ボリバルへと急激な伸びを見せている。