この2体のミイラの背景には、「悲劇」というべきか「笑い話」というべきか、迷ってしまうようなエピソードがあります。

1860年代に、ネズミを追い回していたネコが、パイプオルガンのパイプ内に逃げ込んだネズミを追いかけて自分もパイプに飛び込んだものの、体が大きすぎてパイプから抜けなくなってしまいました。

一方のネズミも、目の前にはネコがいるためにパイプから逃げ出すことができず、結局ネコとネズミは仲良くミイラ化・・・やがて時が流れ、改修工事でパイプオルガンのパイプが解体されたときに、ようやく発見されたとか。

ネズミの表情を見ていると、「逃げたいのに逃げられない」というジレンマと、ネコに対する恐怖心が伝わってくるような気がしませんか。

この2体のミイラには「トムとジェリー」というニックネームが付けられているそうです。「トムとジェリー」は意外に目立たず、地下大聖堂のショップの目の前にひっそりと展示されているのでお見逃しなく。

長い歴史をもつだけに、数々の逸話に彩られたクライストチャーチ。ここを訪れずして、ダブリンの歴史を語ることはできません。

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