日本では「上を向いて歩こう」「こんにちは赤ちゃん」などの名曲が生まれ、三輪自動車ダイハツ号の本格的生産が開始、また日本で初めての国産飛行機が中島飛行機工場で生産されるなど、世界恐慌の波が広がっているとはいえ、まだ第一次世界大戦の景気の余力も感じさせる、様々な出来事が入り交じっている状況であった。
そんな時代に産声をあげたこちらのお店は、昭和の様々な出来事を乗り越え、今なお美味しい丼ものを提供し続けているのだ。
・行列ができる「鳥喜多 (とりきた)」の親子丼
そんな老舗のお店で頂けるメニューのうち、もっとも多くの人々に愛されているのが親子丼である。
週末ともなるとこの親子丼を味わうために多くの人々が行列をつくるのだ。
行列ができる理由は実際に親子丼を味わってみれば分かる。
トロトロに仕上げられた親子丼の真ん中に、卵の黄身が乗せられている親子丼は、見た目にも非常に妖艶な美しさである。
そのまま味わっても良いのだが、やはり卵の黄身を親子丼全体にまとわせて、さらにトロトロな状態にして味わうのがオススメだ。
そして卵の黄身を丼全体にまとわせたのであれば、ひとくち味わってみてもらいたい。
そうすれば、鶏のウマミと美味しいダシの香りが、口いっぱいに広がり、卵の優しい甘みがそれらを包んでくれる事に気がつく。
それもそのはず、親子丼の丼タレは4時間以上かけて作られるダシをベースにしているとのこと。
並んでも味わいたい、そんな絶品の親子丼がここにはあるのだ。