現在、個人投資家の仮想通貨売却益は、証券税制の適用対象外となっており、仮想通貨を売っても雑収入になるので、総合課税される。そのため、税金が重たい。フランスでは、既に仮想通貨の売却益が分離課税されているが、日本において分離課税が実施されるのはまだ先の話になるだろうといわれている。特に取得単価が低くて既に仮想通貨を持っているような投資家にとってみれば、税金のことを考えるとなかなか売却しづらい。

そこで、仮想通貨を証券として投資することができれば、投資家にとっては非常にメリットがあるだろう。ビットコインを原資産とするカバードワラントといった商品があれば、これは証券税制が適用されることになるのだ。

仮想通貨とデジタルトークンを使った証券は、トークンの性質が違うだけの話で、技術的には一緒である。ブロックチェーン上に発行しているトークン自体が、例えば何かの事業から得られる配当であったり、事業収益の分配、利益を分配される権利であったりといったことであれば、法律上証券とみなされる。

一方、配当を受けるような権利ではなく、他の財サービスと交換できると考えられるのであれば、仮想通貨と捉えられる。だから、これはトークンとしての性質の違いがあり、この違いを法律に照らし合わせたときにどのようにカテゴライズされるかというだけの問題だ。

同じ「ブロックチェーン技術」という横串のなかで、各法人がそれぞれの役割を果たしながら全体としてのサービスを提供していきたい。これがFDAGとしての考え方であり、そのために必要な各法人の機能をグループ間で連携しながら、サービスを提供していく、そしてそのサービスにより新しいマーケットを作っていきたいと考えている。

(つづく~「フィスコ仮想通貨取引所の今後 vol.4 ~FDAG代表取締役 八木隆二氏インタビュー~【フィスコ 株・企業報】」~)

【八木隆二 Profile】
2010年フィスコ入社。ネクス取締役(現ネクスグループ)、ジェネラルソリューションズ(現フィスコIR)取締役などを経て、2015年カイカ代表取締役会長に就任。2018年12月よりカイカ取締役会長と なる。現在、フィスコデジタルアセットグループ代表取締役を兼任。

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