あと1ヵ月もすれば、各地でクリスマスマーケットが始まるドイツ。ドイツのクリスマスマーケットといえば「3大マーケット」とも言われるニュルンベルク、ドレスデン、シュトゥットガルトが有名ですが、他の町でもそこならではの特徴あるクリスマスマーケットを楽しむ事ができます。

そこで今回は、ドイツの真ん中辺りに位置するハルツ地方にあるゴスラーという町のクリスマスマーケットをご紹介しましょう。

この街では世界遺産に登録されている美しい街並みを背景に、素朴であたたかみのあるマーケットが開かれます。

ハルツ地方を旅行する際の拠点ともなるゴスラー。かつては郊外のランメルスベルク鉱山で銀を産出したことから神聖ローマ皇帝の直轄領となり、町の外れには皇帝の居城も築かれました。ゴスラーをはじめハルツ地方は魔女伝説が残る地としても知られ、町を歩けばお店の店先に魔女の人形が吊るされているのを目にします。

そんなゴスラーで開催されるクリスマスマーケットのメイン会場となるのは、町の中心にあるマルクト広場。ゴシック様式の市庁舎やギルド会館を改装したホテル「カイザーヴォルト」に囲まれた広場では、地元ハルツ地方のシュナップスやジビエ肉のサラミ、そのほか手工業製品を扱う店などが並びます。

手工業製品のなかでも、特に多いのが木工製品のお店。木製の食器類やおもちゃ、クリッぺ(キリスト誕生の情景を現した人形)など、職人がひとつひとつ手作業で仕上げた製品は持ってみると手に優しく馴染みます。

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