アートブロックチェーンネットワークの構築に向けた取り組みなどを行うスタートバーンと、ペン入力タブレットのトップメーカーであるワコムは26日、アートブロックチェーンネットワーク(ABN)を活用したデジタルアート作品(コンテンツ)の権利保護および流通基盤の構築に向けて、協力することに合意したと発表した。

スタートバーンが構築を進めているアートブロックチェーンネットワークは、アート業界に関わる人々が、作品証明書の発行、来歴や著作権の管理を行うことができ、スマートコントラクトによって二次流通の多様な管理にも利用できる、イーサリアム上に構築されたネットワークである。

ワコムのデジタル署名認証技術を、スタートバーンのアートブロックチェーンネットワークと連携させることで、ペンタブレット等で創作活動をするクリエイターが自分の作品の権利を明らかにし、二次流通市場で発生した還元金を収益源とすることが可能になるとしている。ワコムは『この流通基盤によって、制作者自らが権利を守りながら作品を提供することが可能になり、販売・購入者側ともに選択の幅が広がる』と伝えている。

また、こうしたアート作品が流通することで、『その作品を扱うコレクターやギャラリー、オークションハウスなどが真正性と唯一性を担保したデジタル作品を現在流通するアートと同様に市場で取引することが可能になる』と述べている。

両社は明日27日、ワコムが開催する、デジタルインクとデジタル文具の発展のためのイベント「コネクテッド・インク」において、この取り組みを紹介し、デジタルアート作品流通のエコシステムをともに築き、拡大していくパートナーを募集するとしている。さらに、今後について『「セキュアな環境でのデジタルアート作品の豊富な提供、自由な流通」を実現し、グローバルに展開することで、デジタルアートのさらなる興隆に貢献することを目指す』との意向を示している。