3月にはお彼岸のシーズンが到来する。お彼岸には春彼岸と秋彼岸があり、春分の日を中日として前後3日間を合わせた7日間が春彼岸である。2020年の春彼岸は、3月17日(火)から始まっている。お彼岸には墓参りを行なうのが昔ながらの風習だが、仏事のマナーに自信がないという人も少なくないだろう。仏事関連総合サービスの株式会社メモリアルアートの大野屋が、お彼岸シーズンに気をつけたほうがいい注意点やマナーについて教えてくれた。
Q.お彼岸にお墓参りに行けない場合は?
事情があってお彼岸の間にお墓参りに行けない場合は、多少時期がずれてもいいのでお参りするか、自宅の仏壇に故人の好きだった菓子などを供えて供養するとよい。大野屋の一部店舗では、指定した日に供花やお墓を清掃するサービスを行なっているので、それを利用するのもいいだろう。
Q.お墓参りの手順は?
持っていくのは、線香、ろうそく、マッチ(ライター)、花、供物(菓子や果物、故人の好きだったもの)。
お墓参りでは、まずはお墓の掃除をする。掃除の手順は以下のとおり。
1.水をかけて墓石を洗い流す。
2.水鉢や花立て、香立てはゴミがつまりやすいので丁寧に洗う。
3.墓石の彫刻部分は歯ブラシで細かい汚れを落とす。
4.洗い流したら、タオルなどで水気を拭きとる。
掃除が終わったら、供物をそなえる。菓子や果物は直接ではなく、二つ折りにした半紙の上に置く。水鉢にはきれいな水を入れて、花立てには長さを整えた花をそなえる。
Q.おはぎとぼたもちの違いは?
どちらも、もち米を蒸して丸めて小豆の餡を絡めたもので、同じものだが、ぼたもちは春彼岸、おはぎは秋彼岸に食べるという違いがある。ぼたもちは、春に咲く牡丹の花にちなんでその名前がつき、おはぎは、秋に咲く萩の花にちなんでその名前がついたのである。
Q.お供えする花は?
仏花と言えば菊が有名だが、お供えするのは仏花でなくてもかまわない。故人にふさわしい花を選ぶとよいだろう。色や種類に決まりはないが、トゲがある花は避けたほうがよい。また、花粉が墓石を汚すかもしれないので、供える前に取り除いたほうがいいだろう。なお、神式のお墓の場合は榊(さかき)を供える。仏式でも宗派によっては樒(しきみ)を供える。
Q.お彼岸中の友引や仏滅にお墓参りをしてもよい?
友引や仏滅は中国の古い占いのようなものなので、仏事とは関係がない。「仏事は後回しにしないものなので、お墓参りは午前中にするのがよい」と言われることもあるが、午後にお参りしても大丈夫である。
Q.お彼岸の間にお祝いごとが重なったら?
お彼岸は喪中とは異なり、身を慎む期間ではないので、結婚式や引っ越しなどを行なっても問題ない。ただし、地域や世代によってはお祝いごとは避けたほうがよいという慣習もあるので、その場合は従うこと。
Q.お彼岸に主人の実家に行くことに。何を持参するべき?
御仏前としてお金を包むか、菓子折りやお線香などのお供えを持参する。品物に決まりはないが、故人の好きだったもの、または長く保管できて高級感のあるギフト用線香などがおすすめ。
メモリアルアートの大野屋では、葬式や仏壇、墓、仏事のマナーなどについて専門の相談員が年中無休、無料で相談に応える「テレホンセンター」を開設している。お墓参りで分からないことがあるなら、こちらに電話してみてもよいだろう。
メモリアルアートの大野屋「テレホンセンター」:0120-02-8888(9:00〜20:00)