トルコ、特にイスタンブールの街中では、祭りでなくとも毎日屋台が出ており、この街ならではのストリートフードを日々楽しむことができます。

屋台は旅行者で賑わうヨーロッパ側旧市街や新市街に特に多く、ゴマ付きパンのスィミットや焼きトウモロコシ、茹でトウモロコシ、冬ならほくほくの焼き栗、サバサンド、果物や野菜をその場で搾ってくれるジューススタンド、トルコアイス、ドネル・ケバブなどが代表的なものです。

そんなイスタンブールのストリートフードの中でも、ひときわ目を引くのがココレッチの屋台です。一見何かわからない肉の塊のようなものに、誰もが一度は目を止めるでしょう。

ココレッチというのは子羊の腸を串刺しにして焼く料理で、トルコやバルカン半島の国々、ギリシアでも食べられている料理です。

イスタンブールにある数あるココレッチの屋台の中でも特に人気のお店が、旧市街のシルケジとエミノニュの間に位置する「クラル・ココレッチ」、その名も「ココレッチの王様」です。高級感などはなく、どちらかといえばごく普通の庶民的な路面店なのですが、その美味しさから有名人もこっそり訪れるほどの人気っぷりなのです。

インパクトがある見た目はもちろんですが、お店に近づくたびにどんどん香ってくるちょっとクセのある匂いに引き寄せられずにはいられません。ココレッチ専用の火鉢付きの炉端でジュージューと音を立てながら肉の塊がどんどん焼かれていきます。ほどよく焦げ目がついたら、そぎ落とされてまな板の上で細かく刻まれます。クミンやタイムといったホルモンの旨みを引き立てる香辛料を仕上げに振りかけます。

ココレッチはこのまま食べるのではなく、ピデというトルコの平たいパンに乗せて食べたり、エキメッキというフランスパンのような形をしたパンに挟んで食べたりするのがトルコ流です。

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