世界中の旅行者を魅了してやまないドゥブロヴニクですか、かつてこの美しい町並みは幾度となく破壊の危機にさらされてきました。

1667年の大地震に、1991年のユーゴスラヴィア連邦軍による攻撃…一時は「危機にさらされている世界遺産リスト」にも載るほどでしたが、町の人々のたゆまぬ努力もあって、宝石のような町並みが甦っています。

門をくぐって旧市街に足を踏み入れると、中世のまま時が止まっているかのような風景が目に飛び込んできます。

城塞都市らしく、力強いのにエレガント。決して派手な町並みというわけではないのに、匂い立つような気品が感じられます。

海に突き出したロケーションとともに、ドゥブロヴニクの景観を特徴づけているのが、旧市街をぐるりと囲む城壁。

8世紀から建設が始まったこの城壁は、全長1940メートル、高さは最高で25メートルにも達する堅牢なもの。1667年の大地震の際も、城壁だけはほとんど被害がなかったといいます。

城壁の上はのぼって歩くことも可能。鳥の目線から見る、オレンジ屋根と紺碧の海とのコントラストは最高です。

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