三井物産は25日、フレアガスを活用したクラウドコンピューティング事業者である米国Crusoe Energy Sytems LLC社の持株会社Crusoe Energy Holdings Inc.社の第三者割当増資を引き受けたと発表した。

フレアガスとは、油田の副生産物として発生し焼却処分されていた天然ガスで、焼却処分する際には温室効果ガスが大量に排出されていた。Crusoe Energy社は、焼却処分されていたフレアガスを引き取り、石油の生産設備内に設置した発電機の燃料として利用する。実際に、フレアガスなどの余剰エネルギーを活用してビットコインのマイニングを行うほか、環境負荷低減型クラウドコンピューティングを提供している。

また、安価でクリーンなクラウドコンピューティングリソースを実現することで、同社は今後需要の増大が見込まれる暗号資産マイニング、AI、再現・予測シミュレーション、などの分野の計算処理を安価に提供することが可能となる。計算処理に膨大な電力が必要になる暗号資産マイニングなどの業界では、既存電力網への負荷軽減や再生可能エネルギーの利用に関心が高まっている。同社は米国内および海外で事業を拡大するために、4月末に新たな資金調達ラウンドで5億500万ドルの資金調達を完了している。

三井物産は、脱炭素社会実現に向けてフレアガスなどの余剰エネルギーを、コンピューティングリソースや電力需給調整向けへ有効活用することに着目しているという。今後は、Crusoe Energy社の戦略パートナーとして海外展開などで協業を進めていくようだ。