11月25日放送の『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)では、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の問題をめぐって、与野党で繰り広げられている“被害者救済新法”の争点について特集。視聴者からは「自民党は統一教会を守ろうとしている」「与党が守ろうとしているのは教団側」「政府はカルトを守るつもりか?」との声が一斉に上がっている。

現在の政府案では、「マインドコントロール」を禁止行為に含めておらず、「不安をあおったり不安に乗じたりして寄付することを“必要不可欠である”と告げ、困惑させて寄付させること」を禁止行為としている。

自民党の茂木敏充幹事長(67)は「“必要不可欠”という用語を使わなくても、その趣旨に当たる勧誘であれば要件に該当する」と話しているが、この内容ではマインドコントロール下にあって“喜んで寄付をした人”の救済にはならないのではないかとの懸念が多い。脳科学者の中野信子氏(47)は、政府側が頑なにマインドコントロールという言葉を使いたがらないことについて、「(前例があるので)煽る行為は禁止することができるわけじゃないですか。なぜこんなに強行に政府側が抵抗することがおかしい」と苦言。

政府案が被害者を救えない内容になっていることについて、立憲民主党の長妻昭政調会長(62)も「実は新法と言いながら消費者契約法の改正案の条文と要件が瓜二つ」「どう考えても発動をなるべくしないように、しないように(している)としか考えられない」と切り捨てた。

そしてもうひとつ、“家族による寄付の取消権”についても議論が続いているが、現段階の政府案ではほとんど役に立たないものとなっている。これについてジャーナリストの柳澤秀夫(69)は「何を政府は守ろうとしているのか?つくづく思うんですよね。本当に被害者を守ろうとしているのか?そうじゃなくて政府側の何を守ろうとしているのか?被害者は自分たちを守るんじゃなくて政府・与党側は別のものを守ろうとしてるんじゃないか?ってくっきり分かってくる」と激しく反発した。

中野氏も、「骨抜きにされちゃう部分じゃないの?って専門家じゃなくても不安に思う」と指摘し、「繰り返しになっちゃいますけど、国民の与党に対する信頼って薄れちゃうと思うんですけど、そういうところを犠牲にしてまで何を守ろうと(しているのか?)」と、政府に対しての不信感を口にした。

「この日は、デーブ・スペクター(68)も『被害者弁護団が40年近くやっていらして、当然資料を見ているはずなのにそれでも動かない与党はどこにブレーキがかかってるのか?どこに対しての忖度なのか』と疑問の声を上げており、出演者全員が口をそろえて『忖度』『何を守ろうとしているのか?』と政府に強い猜疑心を向けていました。まさに国民が思っている疑問そのものだと思いますよ」(政治記者)

ネット上からも「教団様のためにザル法作って、国民にやってます感だけ演出して見せてる自民党」「『救いたい』という言葉を使うが、救いたいのは自分達と統一教会だよな」「洗脳されてしまった人を全く想定しない新法を作っても何も変わらない」「有効な被害者救済を自公両党が妨げていると言わざるを得ない」と疑問の声が噴出している。

このまま被害者を救えない新法が通ってしまうのか。政府与党の動きを見る限り不満ばかりが募りそうだ。