4月5日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)は、インフレが長期化した際に日本に起こり得る金融危機について特集。その中で、テレビ朝日局員でコメンテーターの玉川徹氏(59)が、ギリシャのような財政破綻が起こる可能性を危惧した発言をし、視聴者から「無理がある」との声を集めている。

日本銀行(以下、日銀)は、2013年から続く“異次元の金融緩和政策”の結果、2022年度に買い入れた国債(国の借金)の額が過去最大の135兆円9800億円になったと発表。元は、金利を下げて景気や賃金を上げるための政策だったが、結果的に理想論に終わり、現時点では様々な弊害を生んでいる。

こうした日銀の政策について、特集の冒頭で玉川氏は「今の日本の状況って、実は崖っぷちだとちゃんと理解したほうがいい」とコメント。さらに、日銀と政府の財政は密接に関係しており「日銀がお金を吸って、そのお金で国債を引き受けているんですよね。その引き受けたお金で日本は借金をして、我々が財政サービス、政策のサービスを得ている構造になっている」と説明。さらに、今の状況は「バブル崩壊なんてしないから大丈夫」と思っていた頃や「戦争中に、日本は勝つんだからいくら借金をしたって大丈夫と思ってどんどん借金していた状況に近い」と語った。

そして異次元緩和のツケについて散々討論したあと、玉川氏は「僕、ギリシャの財政危機のときに取材に行ったんですよ。粉飾決済があって信用が落ちたときに(取材に)行ったんだけど」と切り出すと、財政破綻したギリシャを例に出して「こういう風になっちゃったら大変だなと思って、日本が」と危惧していた。

しかし、視聴者からは「日本がギリシャみたいに財政破綻するかもとか『自国通貨』と『外貨建て』の国債その差も理解できないんだ」「玉川さんは自国通貨じゃないギリシャを持ち出した。なんでもありだな」「日本がギリシャのように破綻するとか言い出して、誰もそれを訂正できる人がいないの、さすがにまずいでしょ」「ギリシャの場合は、ユーロ建てだっただろうが。それと日本の日本円建てと全然違うやん」との指摘が集まっている。

「日本の国債は、国が発行している通貨である“円建て”でいわゆる自国通貨。一方、ギリシャで使用されている通貨はユーロといってEU加盟国で流通している“共通通貨”だったため、ギリシャに通貨を発行する権限がなかったことが破綻原因のひとつと言われています。つまり、金融構造そのものが違うため、同列に考えるのがおかしいというのが視聴者の指摘でした」(政治記者)

番組にレギュラー復帰したばかりの玉川氏だが、視聴者の誤解を招くような発言には気を付けてほしいところだ。