祝! 豊洲新市場開場!ってことで、皆様ご存知のようにスッタモンダの挙句、当初の予定より遅れること約2年。平成30年10月11日大安吉日に東京都中央卸売市場豊洲市場がスタートを切った。
一貫して移転を推進してきたオレとしては感無量でぇ…と言いたいところだったが、なんとっ開場に際してまで、性根の腐っちまったメディアどもは豊洲新市場ネガティブキャンペーンを繰り広げやがった。
石原都政時代から議論しつくして腐りかけているような地下水話を持ち出し、やれ安全なのか?使い勝手はいいのか等々、中でこれから働く我々にとって大きなお世話ということまで取り上げだした。
そしてあろうことか、もうすでにSNS界隈では「デマノミスト」という異名をとっている方の意見を並べ立て、豊洲新市場のアソコが駄目だ、ココが使えないと吹聴して回っていた。
こないだもとある著名な方とお話をした際、やはり「地下水は安全なのか?」というご質問を頂いた。
したくもないが、地下水について書いておく。日本には途上汚染対策法という法律がある。豊洲市場のある土地は、その中で「形質変更時要届出区域」に指定されている。その名の通り、ココの土地の形質を変更するときには届け出なさいという決まり。
これは、今現在は地下水と地上にいる人間との接点が、完全に遮断されているという法律のお墨付きってことなんだ。だから汚染された地下水云々の以前の話になる。触れることがないのだから安全だってこと。
さらに言えば、なんちゃらという有害物質が環境基準の何倍検出された、という話がよく持ち出される。
この環境基準という数値は飲み水の基準であり、飲み水として70年間毎日2リットルずつ飲み続けて、10万分の一の確率でがん発生のリスクがあるという数値だ。果てしなくゼロリスクに近い基準ともいえる。
ちなみに豊洲市場の地下水はこの環境基準の値を行ったり来たりしてる段階だ。この基準値内で収まっていれば、何も問題はないし、その上その地下水との接点が完全に遮断されているのだから、二重に安全が確保されているといえる。ちなみにこれは小池知事が就任する前から成立していたことであり、その時から今まで何も変わっていない。間違っても小池知事がやったことではないと断言する。
要は“いたずらに”移転を延期したのだ。これだけを取り上げても小池知事の無能さがうかがえる。
そしてその著名な方は「その法律、行政は信用できますか?」ときやがったから「私は信用しています。日本は法治国家です。それが嫌ならば革命を起こすなり、できないのならこの国から出ていけばいいじゃないですか」と丁寧に申し上げた。
どうもアチラの方たちは頭がいいはずなのに同じ話を繰り返させる。最後に「安心というのは感情論。全員の感情が納得できることはないから、法律で定めてある。その法律は科学を元に決められているの。こーゆーケースで感情が科学より優先されれば、何も進まないよ」と申し上げ踵を返した。
オレも築地で40年近く働いてきた者、築地とは使い勝手が変わるなぁと感じるところは正直ある。しかしだからと言って駄目だ、使えないという結論になるのは短絡の極みだと思う。
人間には知恵と工夫が備わっている。何か不便なことがあれば、より効率よくできるように工夫をすりゃいいいだけだ。
大体、念願の夢の新居に引っ越してもそうだろう? 150%満足できるものなんかは、あるはずもない。設計段階では完璧とは思ってても、月日が流れりゃ使い勝手も変わってくるというもの。だからと言ってここは使えないから、これは直せ!なんて無茶を言う人はいないだろう。それを受け入れ知恵と工夫を凝らし、より良い生活が出来るようにするのが普通ではないだろうか?
どうもネガティブな話になってしまったが、豊洲新市場はとても優れた施設だと大いに満足をしている。きっと名実ともに世界一の魚市場と成長するだろう。
まだ一週間も働いてないが、なるほどこーやって使えばいいんだっ!と気づくことが何度もあった。施設が新しくなったのだから、古い築地のルールをそっくり当てはめるのは、不可能なことだ。そこは使う人が変わる必要がある。どうもこの世界は頭の固い人が多いのが悩みの種だが、一度納得しちゃうとかなり素直になっちゃうのも魚河岸気質だ。必ず世界が驚く魚市場になることだろう。ぜひ期待をしていただきたいと思っている。