かつては薬局として使われていましたが、現在はタルトゥ美術館として公開されており、おもに20世紀のエストニア画家の作品を展示しています。建物の傾きにばかり注目が集まりがちですが、絵画の所蔵数は4000点を超え、美術館としても見ごたえ十分。

・聖ヨハネ(ヤーニ)教会

タルトゥ大学の本館にほど近いところに建つレンガ造りの大きな教会が、聖ヨハネ(ヤーニ)教会。1323年にリューベックの職人たちの手で建てられた教会で、バルト三国で最古のものとされています。

見どころは、当時北ヨーロッパでは類を見ないものだった教会の外壁と内部を飾る素焼きの塑像の数々。

残念なことに、1000以上あった塑像は度重なる戦争によって多大な被害を受けてしまいましたが、一応の修復作業が完了した現在では、再現された塑像が再び飾られています。

塔の上にものぼることができ、タルトゥ市街のパノラマが楽しめますよ。

・大聖堂(トームキリク)

「トーメの丘」と呼ばれる高台に位置する見どころのひとつが、13世紀後半に着工、15世紀に完成した大聖堂。建設中は朝になると前日の作業が水の泡になるという事態が続き、これが魔物のしわざと信じられたため、処女をいけにえにして魔物をなだめたという伝説が残っています。

16世紀の宗教改革で廃墟と化しましたが、現在は建物の位置がタルトゥ大学歴史博物館として使われています。

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