一方、豊かな緑に囲まれ牧歌的な空気が流れるのが、リトアニアの首都ヴィリニュス。バルト三国の首都のなかで唯一内陸に造られた町で、「教会の町」といっても過言ではないほど狭い範囲に多数の教会が建ち並ぶ風景は、心あたたまる美しさです。

・多彩な建築

バルト三国では、ドイツ商人によって建設された建物や、ロシアの支配下にあった時代に建てられた建物、あるいはこの地域独自の木造建築など、さまざまな文化的背景をもつ建造物が混在しています。

歴史上、周辺の大国からさまざまな干渉を受けつつ独自の文化を育んできたバルト三国だけに、狭い範囲でも多彩なラインナップの建築が楽しめるのです。

なかでも建築好きにとってたまらないのが、ラトビアの首都リガ。重厚感あふれる中世の教会から、奇想天外なユーゲントシュティール(アールヌーヴォー)建築まで、個性あふれる建物が並ぶ様子はまるで建築博物館のようです。

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