麻生太郎財務大臣(77)が先月19日、国会・衆院予算委員会で、市民による反安倍デモを「市民団体主催のはずなのに、街宣車を持ってるのは珍しく少々普通じゃない」と看破する一幕があり、ソーシャルメディアで喝采を浴びる一幕があった。

麻生氏が指摘したのは、国税庁前などで行われた国税庁長官・佐川宣寿氏(61)へのいわゆる”納税者一揆デモ”についてだった。同デモは所得税の確定申告が始まった3月16日、徴税行政のトップである佐川長官が学校法人・森友学園への国有地売却をめぐる説明で「書類を破棄した」と答弁したことに抗議するなど、1100人(主催者発表)が集まっていたという。朝日新聞などでも大きく取り上げられ、参加した一般市民の声としてのコメントを多く掲載していた。

このデモを柚木道義議員(45・希望の党)が国会で取り上げ、「全国で11ヵ所、財務省前でも千人位おられた。一般の方々が子供さん連れで、オリンピックも見ずに抗議に行った。その責任を財務大臣としてお感じになりませんか」と質問し、冒頭の麻生発言に繋がった。これに、麻生氏はさらに踏み込んで、「立憲民主党の指導で街宣車がやっておられたという事実は知っている」とまで述べている(※この部分は後に本人が訂正)。

このやりとりを受けて、ソーシャルメディア上では「さすが麻生、痛いところを指摘する」「まあ市民と称するプロ市民が招集かけただけだわな」「柚木は安保法制反対から、希望の党に入るとコロッと賛成にまわり、小池百合子の旗色が悪くなるとまた反対に回った男。こいつは信用できる」と市民の声をうたったデモに疑惑の目が向かう結果となった。

■市民発のはずが「SEALDs」が使用した街宣車まで登場

さらにTwitter上では麻生大臣が指摘した「街宣車」が、なんと学生市民団体「SEALDs」や16年の選挙では日本共産党も使用した「全労連」の車両であることが判明するに至り、経済評論家・渡邉哲也氏も「全労連は破防法の監視団体である共産党系の労組 連合非加盟」と指摘するなど炎上騒動へと一気に発展した。

「同デモは、元TBSの杉尾秀哉(60・当時民進)や森ゆうこ(61・自由)、福島みずほ(62・社民)らが予め左派マスコミを帯同させて佐川長官に面会に行ったことから、自民党内でも”野党主導で行われた”と見ていたもの。結局、杉尾氏らは佐川長官に会えず『雲隠れした』と騒いだものの、元々アポイントも取っておらず、会えないことを前提に動いたパフォーマンスと見られています」(新聞社政治記者)

 市民の声はどこへやら。麻生氏ならずとも疑いたくなる。同じ市民というなら「モリカケはもう飽き飽きしてる」という大多数の市民の声もぜひ拾ってもらいたいものである。