大手化粧品・サプリメント販売のDHCグループの吉田嘉明会長(77)が、東京MXテレビの報道バラエティ番組『ニュース女子』の放送が終了したことについて、WEBサイト「iRONNA」にて独占手記を発表し、「BPOは正気か」と放送倫理・番組向上機構(BPO)への批判、反論を繰り広げて波紋を呼んでいる。

【DHC会長独占手記】「ニュース女子」騒動、BPOは正気か
https://ironna.jp/article/9559

この過激な手記は、DHCテレビが制作する『ニュース女子』の放送終了に絡むもの。同番組をめぐっては、沖縄で繰り広げられる基地反対運動に関する内容について、BPOが放送倫理違反と人権侵害を指摘したことが放送終了の直接的なきっかけとなっている。

吉田会長は今回の手記で、「(BPOについて)NHKと地上波の民放テレビ局(民放連)から選任された委員で構成されていますが、普段NHKや地上波の民放テレビを見ていて何かを感じませんか。昔とは明らかに違って、どの局も左傾化、朝鮮化しています」として猛批判している。

以前にも吉田会長は自社の公式サイトの中で、在日勢力への批判を堂々主張し、「似非日本人はいりません。母国に帰っていただきましょう」と語るなど話題になっていた。

問題となったのは、DHCホームページの「会社概要」に平成28年2月12日付けで掲載されている「会長メッセージ」だ。その中で吉田会長は、故・吉田茂首相の側近でマッカーサーを怒鳴りつけた男として有名な、白洲次郎の「人にも物にも、本物・偽物・似非ものの三つがある。それを見分ける人間になれ」という発言を引用。「似非もの」が跋扈する化粧品・サプリの分野で同社が「本物たらん」と誠実に製造を続けていることを説明するとともに、現在の日本社会にも「似非日本人」が存在し、日本を貶めようとしていることを指摘した。

吉田会長は「本物、偽物、似非ものを語るとき在日の問題は避けて通れません」とした上で「いま日本に驚くほどの数の在日が住んでいます」と説明。「在日」という言葉がヘイトかどうか議論の分かれるところだが、会長は「日本人になりきって日本のために頑張っている人は何の問題もありません」とし、むしろ「立派な人たち」と擁護している。

特に問題視するのは「日本人として帰化しているのに日本の悪口ばっかり言っていたり、徒党を組んで在日集団を作ろうとしている輩」だという。

そのような人たちが「政界(特に民主党)、マスコミ(特に朝日新聞、NHK、TBS)、法曹界(裁判官、弁護士、特に東大出身)、官僚(ほとんど東大出身)、芸能界、スポーツ界には特に多い」と指摘し、そのことで「国民の生活に深刻な影響を与え」るのではと懸念を訴える。そして、会長は「似非日本人はいりません。母国に帰っていただきましょう」と厳しい言葉で批判していた。

ちなみに同会長のメッセージが掲載された16年2月以降、DHCにはネット上で不買運動の動きも囁かれたが、15年(1,029億円)より、16年(1,045億円)、さらに17年(1,056億円)と売上げを伸ばしている。利用する女性たちは、どちらの声が「本物」なのか分かっているようだ。

こうした吉田会長の言葉尻をとらえて「ヘイト」と断ずるのは簡単だが、それでも日本社会の置かれた状況に危機感を感じればこそ、あえて風評を恐れず発信したのか。今回のBPO批判がテレビ業界に一石を投じたことは確かだろう。