筆者は人気メニューのひとつ、マッシュルームのタルトフランベをいただくことに。
木製の四角いプレートに載って登場したタルトフランベからは、こんがりチーズとベーコンの香りが漂ってきてなんとも食欲をそそります。
日本語ではしばしば「アルザス風極薄ピザ」と呼ばれる通り、タルトフランベの生地は一般的なピザよりもずっと薄いのが特徴。それでいて、おいしいタルトフランベを出すお店の生地はミルフィーユのように層になっているので、カリッ・サクッとした食感が楽しめるのです。
具材は、フロマージュブランまたはサワークリームを塗った生地の上に、スライスしたタマネギやベーコンを散らすのが伝統的なアルザススタイル。このようにマッシュルームを散らしたもの、あるいはズッキーニやトマトを載せたイタリア風のものなど、店によってさまざまなバリエーションに出会えます。
「トノー(Tonneau)」のタルトフランベは、生地はサクッと軽いのに、具材はジューシー。とろけるチーズの食感やマッシュルームの歯ごたえがたまりません。
フランスのタルトフランベは、日本人にはやや塩気が強く感じられることがありますが、こちらは絶妙な塩加減で、クリーミーなフロマージュブランとベーコンのほどよい塩気が見事なハーモニーをつくり上げています。
タルトフランベは白ワインとの相性が抜群。アルザス名物のリースリングなどとともにいただけば、相乗効果でタルトフランベもワインもいっそうおいしく感じられますよ。
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