ビットコイン(BTC)は、7日、85万円台にタッチしたものの、その後、下落して84万円前後で推移。9日現在の取引価格は83万9975円で前日から0.81%下落した(記事執筆時)。

イーサリアム(ETH)は、6万6240円で0.55%下落。ビットコインキャッシュ(BCH)は、12万3318円で1.13%下落。リップル(XRP)は73.82円と0.99%下落した。

仮想通貨市場は10日、目立った上げ材料も、下げ材料もなく、小幅安で横ばいの状況が続いている。6月1日以来、この1週間でビットコインは81万円から85万円のレンジ相場で取引されている。

注目すべきニュースは、国内仮想通貨取引所大手「コインチェック」がネム(XEM)の出金と売却を順次再開することを発表したことだろう。1月下旬に不正アクセスによるネム流出騒動以降、4月にマネックスグループに買収され、経営陣も刷新。6月をメドにサービスの全面再開と、仮想通貨交換業の正式な登録を目指してきたが、ようやく本格稼働の見通しが立ってきたのは市場にとって好材料だ。

また、9日は、コインマーケットキャップの上位100通貨のうち約8割が下落か横ばい。大きく上昇する銘柄は見られなかった。

この日、コインマーケットキャップで最も伸びが大きいアルトコインは、時価総額91位のビボックストークン(BIX)だ。伸び率は9.39%を記録した。取引価格は1BIX=158.26円となっている。 

ビボックストークンは中国系仮想通貨取引所「BIBOX」の発行するトークン。

世界最大級の取引所「バイナンス」の発行するバイナンスコイン(BNB)と似たような性質で、ビボックストークンを購入しBIBOXの取引所で使うと、通常の取引手数料0.1%よりも割安の0.05%になるのが特徴だ。

一方、大手取引所のバイナンスで、もっとも大きな伸びを示しているのは時価総額143位のエンジンコイン(ENJ)だ。伸び率は16.18%を記録した。取引価格は1ENJ=12.57円となっている。

エンジンコインは、世界有数のゲームのコミュニティー「ENJIN」で利用するために開発された通貨。ゲーム内のリワード報酬やアイテムの購入、交換などに使用できるのが特徴だ。またブロックチェーンの技術を使うことで課金時の不正や詐欺などを防止するための対策も低コストで行える。

仮想通貨市場は、今週、総じて目立った値動きがなかったもののビットコインは80万円を割ることなく緩やかに回復傾向。市場関係者の多くも5月28日の78万円で底打ちの観測が広がっている。新たな好材料が出て来れば、来週90万円台への到達も射程圏内に入ってきた。