突然の松本死刑囚、その他教団幹部の死刑執行で、オールドメディア(オレは視てねぇから知らねぇけど)や、ネットメディア、Twitterのタイムラインにも様々な意見が寄せられていて、いささか辟易してる。

本音はコレ。とある魚河岸の人が「あんな奴らとっととやっちまえばいいんだよっ! 税金使って生かしてやることなんかねぇ!」と言い放ってた。まったくオレも同感だ。

でもまぁエライ人たちってのは(本音ではこー言いてぇのかもしれねぇが)、そー簡単にはいかねぇのも解ってるつもりだ。

この記事の江川紹子さん。今では意見の違うことも見受けられるが、単身で危険を伴うオウム真理教の徹底取材を続けてきただけあって、とってもうなづけた。オウムで売り出したといえばもう一人いるが、意見の重みが雲泥の差だと感じた。

オウム真理教がメディアに登場してきたころ、オレはまだ30代に入ったばかりで、バブル崩壊も解ってなかったお目出たい若者だった。

当初、なんか知らねぇところで新興宗教の連中がなんかやってるなぁ位にしか関心がなかった。ただ学歴コンプレックスがあるオレには、教団幹部に勉強のできる人たちが多くいるンで、それなりに魅力があるとこなんだろうと勝手に思ってた。しかし一方勉強のできる人(オレにとっては自信に満ち溢れてて輝いてる人たちに見えてた)も、何かの支えがないとダメな人もいるんだなぁと感じだしていた。

オレは特定の宗教は持っていないが、決して宗教は否定しない。むしろ宗教に帰依している人を、好ましいとさえ思ってる。事実今まで出会ってきた人の中でも、宗教を持っている人のほうが尊敬に値する人が多かったように思う。だからと言ってオレが帰依するかどうかは別問題だけどね。

オウム真理教教団幹部が毎日のようにテレビに出ていた。そのころオレは「テレビ=正しい」と思って素直に信じてる輩だったから、屁理屈と能書きはすげぇけど悪い人じゃねぇんだろうなぁなんて思ってた。それにまぁオレの知らねぇとこでやってることだ、関係ねぇやっ!と構えてた。

そんな折、平和な魚河岸のいつもの朝に「築地駅が爆破されたみてぇだぞっ!」の一報が入ってきた。「新大橋通が通行止めになって路面に人がゴロゴロ倒れてる」とか「聖路加(病院)の廊下までけが人がいっぱいだって!」と続々と新しいうわさが流れてきてた。

おめでたいオレも仕事をさぼって、自転車を飛ばして築地駅方面に行ってみた。もちろん中までは入れなかったが、そこには日常はすっかりかき消された、今まで見たことのない光景が展開されていた。

正直言って、すごく怖かった。これが有事ってヤツなんだと思った。しばらく遠巻きに見て魚河岸に取って返したが、もう冗談が言える状態ではなかったことを思い出す。

その時にはすでに「どうやらオウムがサリンをまいたらしいぜ」という噂が入ってきてた。「道理でさっきから目がショボショボすると思ってたよぉ~ガハハ!」なんて冗談にも笑えなかった。

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