英金融行動監視機構(FCA)が7日、11カ国の金融当局と合同で、フィンテックを推進する新たな同盟、「グローバル・ファイナンシャル・イノベーション・ネットワーク(GFIN)」の設立計画を発表した。

同同盟の設立は、FCAが2月に協議した「グローバル・サンドボックス構想」に由来するという。サンドボックス制度とは、政府が革新的な新事業を育成する為に、現行法の規制を一時的に停止する規制緩和策を指す。FCA は、2016年に世界に先駆けて「英国版サンドボックス」を導入しており、さらに世界レベルで展開することを目指している。

英国版サンドボックスについては、2018年3月にFCA理事で戦略・競争責任者のクリストファー・ウーラード氏が、「サンドボックス第一弾の試験を修了した企業の90%が市場に参入できた」と語っており、新事業の育成にあたっての有効性が実証されている。

FCAはグローバル・サンドボックスの構想について、発表以降に50のフィードバックを得たとしており、なかでもAIやブロックチェーン技術、ICO(仮想通貨技術を利用した資金調達)に関する規制など、新興技術やビジネスモデルに対する要請が目立ったと伝えている。

GFINの機能として、規制当局によるノウハウ共有のネットワーク、共同政策の実行や議論の為のフォーラム、グローバルな施策の試験環境の提供の三点があげられた。参加メンバーには、豪州、アブダビ、バーレイン、ドバイ、香港、シンガポール、カナダなどが名を連ねる。