そこに広がっているのは、まるで地の果てのような景色。

乾いた大地は大きくひび割れ、地表には泥でできた火山のミニチュアが点在しています。

泥火山の噴き出し口に近づいてみると、確かに「ボコッ」「ボコッ」と音を立てて泥が飛び出してくるではありませんか。

大分の別府にも、これと似たような光景が見られる「坊主地獄」がありますが、そのスケールはけた違い。なんの囲いもない野外のオープンスペースに多数の泥火山が並んでいる様子は、日本では見られない異世界の風景です。

2001年には、泥火山が突然15メートルもの炎を噴き上げて話題になったことも。こうした自然環境が、この地で暮らす人々の火を信仰するメンタリティを育んだのでしょう。

噴出した泥の一部は、火山のマグマ同様に下に流れ、流れてから時間の経っていない泥は水分を含み、時間の経った泥は乾燥した空気のなか乾き、ひび割れていきます。

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