今月16日に引退した歌姫・安室奈美恵さん(41)が、間近に迫った沖縄知事選(9月30日投開票)に政治利用されているとの目撃談がSNS上に相次ぎ、有権者らからは「みっともない」と呆れる声が上がっている。

9月18日にTwitterで投稿された書き込みがこちら。玉城デニー氏(58・自由党)の応援事務所に、これみよがしに貼られた安室さんのポスターの様子が撮影されている。

まるで、安室さんがオール沖縄陣営を応援しているかのような雰囲気を醸している。投稿した一般女性に政治的な思惑はなく、いちファンとして「単純に引退した安室ちゃんが勝手に利用されることを怒っている」だという。

安室さんは沖縄出身アーティストとして25年にわたり、日本のトップアーティストとして活躍してきた。たしかに、8月8日に亡くなった翁長雄志前知事(67)には「沖縄の事を考え、沖縄の為に尽くしてこられた知事のご遺志がこの先も受け継がれ、これからも多くの人に愛される沖縄であることを願っております」と追悼の言葉を寄せている。

だが、それも今年5月23日には翁長知事から県民栄誉賞を贈られた縁あってのことで、あくまで翁長知事への「慰労」の言葉である。彼女から、具体的な政治発言があったわけではない。それを安室さんが翁長県政を全肯定しているかのような空気を民主政治を謳う左派陣営ら、一部ネットユーザーが作り上げていた。たとえば、以下のような印象操作がまかり通っていたのだ。

http://archive.is/IBpTe

だが、安室さんの政治利用は佐喜真淳氏(54)側でも起こっているようで、安室引退の16日に応援に駆けつけた小泉進次郎議員(37・自民党)が、わざわざ那覇市内にある安室さんの巨大看板がある前で演説し、「安室さんご苦労様でした!」などと”アムロ”を連呼していたという。こちらも、情けない限りである。

ちなみに琉球新報社と沖縄テレビ放送、 JX通信社の3社合同で14~16日に行なった電話世論調査では選挙は接戦の様相を呈しているようで、比較的高い年代で玉城氏が先行し、20・30代では佐喜真氏が勢いを増しているという。ならば、なおさら両陣営は安室ファンのいる「無党派の票次第」と考えたのかもしれない。

そもそも今回の選挙は、左派が争点にしたがる「米軍基地の移設」は翁長知事が「県の問題」にしただけで、国政の分野の案件。今回の知事選で争う問題ではない。だからといって、タレント人気に頼るのではなく、経済自立を含めた沖縄県政を見直す選挙にしてもらいたいものである。