名前を聞くだけで身が引き締まるような高級店ばかりが軒を連ねる場所、「東京銀座」。
実は銀座だからこそ生まれ、研ぎすまされてきた味があることをご存知だろうか。
その美味しいグルメの1つがサンドイッチだ。
なぜ銀座でサンドイッチなのか?という理由には諸説あるようだが、銀座で15年以上バーを続けているマスター曰く、銀座で働く女性達にとって、仕事前の短い時間で簡単に食べられる、そして衣装が汚れにくいという理由で、サンドイッチが好まれてきたそうだ。
例えば、銀座のクラブ御用達のサンドイッチといえば、「みやざわ」であるし、極厚サンドイッチといえば「アメリカン」が有名であるし、やわらかな牛フィレを堪能できる「グリル梵」のビーフヘレカツサンドに、アンパンで有名な銀座木村家のエビカツサンド、そしてカツカレー発祥のお店「銀座スイス」の「カツカレーサンド」など、数え上げればきりがない。
そんなサンドイッチだけでも多くの名店がひしめく銀座に、今から90年も前から営業を続けるお店がある事をご存知だろうか?
それが今回ご紹介する「チョウシ屋」だ。
・創業1927年(昭和2年)の名店
1927年といえば大正から昭和への時代が変わった年。
当時は、チャールズ・オーガスタス・リンドバーグが「スピリット・オブ・セントルイス」と名づけた単葉単発単座のプロペラ機でニューヨーク・パリ間を飛び、大西洋単独無着陸飛行に初めて成功した年。
日本では新宿の中村屋がカリーライスの売り出し開始し、三越が日本初の自動扉エレベーターなどを備えて関東大震災からの復興をとげていた。
そんな時代に産声をあげたのがこのチョウシ屋なのだ。