だがEOSのDappのトップ10のうち7つがギャンブルアプリだ。上のチャートにあるように、全123のEOSのDappのうちギャンブルアプリは50%を占める。過去24時間以内に限ってみても、EOSのDappのアクティブユーザーのうち72%はギャンブルアプリのユーザーだ(ちなみにゲームユーザーは12%)。過去24時間の決済高を見ても、EOSの全Dappのうちギャンブル関係が78%を占める。これにゲームを加えると実に92%だ。EOSを「ギャンブラー御用達」のパブリック・ブロックチェーンだと言う人がいるのも無理はない。
だがそれは必ずしも悪いことだろうか?
従来型のゲームの動機になっているのは楽しさだが、ブロックチェーンのゲームでは、肝心なのは金儲けということが多い。r/placeとピクセル・マスターを比較することで、金儲け志向のゲームをもっと面白いものにするためのヒントが見つかるかも知れない。
1. r/placeではプレーヤーは5分ごとに1つのピクセルを塗ることが許されており、参加条件はすべてのプレーヤーに平等だった。だがピクセル・マスターでは、投じた金が多い者ほどたくさんのスペースを購入することができた。その違いを背景に、レディットのプレーヤーが協力プレーを行うようになる一方で、ピクセル・マスターのプレーヤーは個人でプレーする傾向が強くなった。参加の公平性を高めたければ、もっと妥当なゲームへのアクセス条件を設計すべきだろう。
2. ピクセル・マスターでは、他のプレーヤーのピクセルを上書きしたければ購入価格に35%上乗せした額で買い取ることができる。今後のゲームでは、協力プレーを促すような仕組みを作るといいかも知れない。例えば、協力してピカチュウの絵を描けば報酬としてトークンがもらえるといった仕掛けだ。そうすればゲームの面白さも増すはずだ。
3. 未来のピクセル・マスターでも、競争している実感を高めるために他のプレーヤーのピクセルを上書きできる設計は維持されるかも知れない。一方で協力的なプレーに対する報酬や他人を妨害するような行為への罰則も採り入れられることになるだろう。例えば協力してモナリザを描くコンテストといったものも考えられるし、ゲーム終了時に参加プレーヤー全員が何らかの報酬を受けられるというのもいいだろう。
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