一方で、黒であるべき場所を白く塗るといった妨害行為が行われる可能性もある。現行のルールでは、協力プレーをしている人々がこの場所を黒く塗り直すには妨害した人物に金を支払わなければならない。ピクセルの売却価格は購入価格の35%増しだが、妨害したプレーヤーの取り分を減らすようにルールを変更してはどうだろう。例えば売り手には20%だけ儲けを渡し、残る15%は賞金の原資にするといったことも可能だ。モナリザの絵が完成したあかつきには、協力プレーの参加者すべてが、貢献度に比例してこの原資から報酬を受け取ることになる。

ピクセル・マスターのようなゲームは、トークンというインセンティブを使って人間の行動への理解を深める手段になり得る。新たなインセンティブの仕組みを繰り返し考えることを通して、より洗練されたトークンエコノミーを作るためのデータや研究材料が手に入ることだろう。

言い換えれば、ピクセル・マスターにむやみに眉をひそめるべきではない。ギャンブルゲームであっても、有意義な社会実験たり得るのだから。

(記事提供:LONGHASH)