ブラジルに次いでコーヒー生産量世界2位を誇る、ベトナム。そんなコーヒー大国ベトナム発の、ユニークなコーヒードリンクがあるのをご存じでしょうか。

それが、「ヨーグルトコーヒー」。「ヨーグルトとコーヒーなんて、合わないでしょ!」という声が聞こえてきそうですが、これが「意外によく合う」「想像を超えるおいしさ」と日本人にも大好評なのです。

今ではベトナム各地で定番になったヨーグルトコーヒー発祥の地が、首都ハノイ。その火付け役ともいえるのが、ハノイ発のコンセプトカフェ「コンカフェ」です。

「コンカフェ」とは「共産カフェ」の意味で、テーマは南北統一前の配給制度下のハノイ。タイムスリップしたかのような古めかしいインテリア、北ベトナムの軍服風のスタッフの制服や雑貨と、独自の世界観とおいしいコーヒーで人気のチェーンカフェです。

「共産主義がコンセプト」といっても日本人にはあまりピンときませんが、日本でいえば、「昭和レトロ」にロマンを見出す感覚と似ているかもしれません。

ヨーグルトコーヒーを飲むためにはハノイに行かないといけないのか、といえばそんなことはありません。コンカフェはホーチミンやダナン、ホイアンなどにも展開しており、ベトナムの主要都市や主要観光地で店舗を見つけることができます。

今回筆者がやってきたのは、ホーチミン中心部にある「コンカフェ ヤーシン店」。朝7時から夜23時まで営業しており、広々とした店内でゆったりとくつろぐことができます。

ホーチミンではほかに、バックパッカー街として知られるブイビエン通りや、ヴィンコムセンター、リートゥチョン通り26番地のアパートなどに店舗があります。

店内に一歩足を踏み入れると、そこは古き良き時代のハノイ。壁、床、イスやクッション、カーテン、メニューにいたるまで、すべてが南北統一以前のハノイをイメージして造られています。

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