2017年に驚異的な上昇をみせたビットコイン市場だが、2018年は波乱の1年となった。世界中の政府や企業が仮想通貨ビジネスについていこうと必死になるなか、ビットコインは何回か暴落を経験した。
報道が価格変動を引き起こす大きな要因になるとは限らないだろうが、市場下落と時期を同じくして流れた主要なニュースを振り返ると、さまざまな教訓がある。
●韓国が仮想通貨規制の厳格化を示唆(1月7日~12日:マイナス17.3%)
1月第2週にビットコインの相場が反発をみせた直後に、冷や水を浴びせる出来事があった。前年12月に最高値を更新したビットコインだが、年が明けて、韓国の規制強化がもたらす影響を世界中の投資家が警戒していたときのことだ。
ビットインフォチャートによると、ビットコインは1月7日の1万6733ドルから12日には約1万3850ドルまで下落。ちょうど、韓国が大々的な規制に踏み切る可能性が取り沙汰されていた。
市場の懸念をあおる要因はいくつかあった。1月8日にロイターやウォールストリートジャーナルなど大手報道機関が、韓国当局が仮想通貨取引をめぐり6つの銀行の調査を開始したと伝えた。11日には法務省が仮想通貨取引所の完全閉鎖を含む法案を準備していると報じられ、当局のさらなる規制強化が、世界屈指の規模を誇る韓国のビットコイン市場に厳しい結果をもたらすと受け止められた。
●一斉取締りへの不安が続く(1月15~17日:マイナス22.9%)
投資家の間に広まった懸念から、1月中旬も韓国の規制強化をめぐる不安は市場に大きな影を落とし続けた。
複数の報道によると、キム・ドンヨン経済副首相兼企画財政相は、仮想通貨取引所の閉鎖は政府が検討する「選択肢として残っている」と発言。規制当局が最終的な判断を下していないことが、全体的に不安を助長した。
●世界中の投資家に不安の連鎖(1月28日~2月6日:マイナス41.5%)
1月28日~2月6日にビットコインは急落。2018年に入って初めて7000ドルを下回った。
ブルームバーグは米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)の幹部の話として、連邦および州当局が連携して仮想通貨取引の監視体制をつくろうとしていると伝えた。連邦議会にも仮想通貨への監視強化を促し、SECとCFTCの権限の強化を目指していると報じられた。
ベテランの市場アナリスト、クレイグ・アーラムはフォーチュン誌に対し、「仮想通貨は日々、否定的なニュースに動かされている」と語った。
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