3日のビットコインキャッシュ価格は急伸、CoinCheck上で32,000円の高値を記録、一時前日比70%高を記録した。仮想通貨市場が全面高にある中でも、特に大きな上昇を記録している。なぜ、ビットコインキャッシュが高い上昇率を記録したか、状況を追って行こうと思う。
市場にアンダーバリューと見られたか
仮想通貨市場は2日、ビットコインの今年最大の上昇幅となる価格高騰を受け全面高に、複数の専門家など過去最長の弱気相場が転換した可能性が高まったとの見方が広がっており、最高値からの騰落率で劣勢に立たされたアルトコインへの資金の出戻りが加速している。
これは、低時価総額などによる高いリスク資産性が影響したことなど、下落相場における市場下落の余波を強く受けたことで、資金流出が加速、想定以上の下落を引き起こす「アンダーバリュー」の現象が起きていたことなどが理由に挙げられる。
特に、ビットコインキャッシュは昨年末のアップデートを巡る陣営の対立により、マイニングコストを度外視した敵対的なブロック生成を競う「ハッシュ戦争」が行われたことで、マイナーの利権争いへの懸念まで問題が発展していた。
仮想通貨市場の下落要因として極めて高い下落率を記録しており、「アンダーバリュー」いわゆる売られ過ぎとの見方が強まったと考えられる。
時価総額を掲載するCoinMarketCap上でも確認できるように、ビットコインキャッシュに関連するBitcoinCash(ABC)とBitcoinSV共に他の水準を記録しており、明らかな下落ファンダの影響を受けて下落した、各通貨への買い戻しが行われている。
ビットコインキャッシュのネットワークの状況に良い変化
また、ビットコインキャッシュの下落タイミングになったハッシュ戦争と通貨分裂以降、厳しい状況に置かれていたビットコインキャッシュのネットワーク状況が改善してきたことは、資金流入への変化として重要な理由となる。
まず、ビットコインキャッシュを掘るマイナーのハッシュが分裂したことで、特定のマイニング業者に偏っていたハッシュレートの比率が分散化の状況へと戻りつつあることが確認された。
ビットコインキャッシュのハッシュレート値は、直近2週間でビットコインを超える上昇率が確認(3ヶ月で1.8倍)されているほか、最も高い比率のマイニングプールで16%台に留まるなど、ネットワークの分散化が見られている。
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