ビットコインキャッシュのハッシュレートでは、昨年末の通貨分裂以降不安定な状況が続いており、1月のはじめにあたる3日には50%を超えるハッシュレートが一つのマイニングプールに集権化する動きが確認されていたことも踏まえると、3ヶ月間で大きくネットワークの正常化が進み、市場においても重要な変化が起きていることを示すデータとなる。
ハッシュレートの分散化は、非中央集権化のネットワークを前提としたPoWアルゴリズムにおいて極めて重要な意味を持ち、50%を超えると51%攻撃といったネットワーク内の改ざんが可能になる危険性も孕んでいる。
要するに、ブロックチェーン上で取引される仮想通貨において通貨価値にも影響する重要な問題であるといっても過言ではない。投資家心理の改善と併せてビットコインキャッシュの買い戻しを促す、一つの要因と言えるだろう。
UTXOセットサイズが増加
また、Bitcoin.comのデータによると、ビットコインキャッシュのUTXOセットサイズが過去最高値まで増加していることが確認された。
UTXOとは
UTXOとは、「unspent transaction output(未使用のトランザクションアウトプット)」のことで、簡単に言えばoutput(送金)されてない=未使用のトランザクションのoutputの記録の代わりとなる。これはビットコインを含めた特定通貨の残高管理方法の一つとしても用いられる方法である。
Bitcoin.comは、UTXOセットサイズの増加に対し、ビットコインキャッシュの将来性における価格上昇に直結する動きであると分析した。
なお、UTXO数としても増加傾向が見られており、「多くのユーザーがビットコインを買い集めている可能性がある。」と指摘など、通貨の保有比率の増加を示すデータとしても注目が集まっている。
今後期待されるビットコインキャッシュの注目イベント
ビットコインキャッシュの注目イベントや期待されている材料としては以下の2点が挙げられる。
• 2019年5月頃:匿名機能やスケーリング機能向上などのアップデート
• 2020年4月頃:マイニング報酬の半減期
アップデートに関して
ビットコインキャッシュの開発において、開発やマイニングを含めて事業を展開するBitcoin.comが語った。
2019年に入りビットコインキャッシュの開発状況が進み、現在スマートコントラクト実装やオープンコードの開発に力を入れていると発表。また、今年の5月には、「Schnorr」プライバシー技術を用いた匿名技術の導入とスケーリング向上を目的とした機能アップデートの実装が予定されているという。
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