これにも増して圧巻なのが、カイディン帝像が鎮座する奥の部屋。

躍動的な龍の絵と、豪華絢爛な天蓋が天井を彩り、壁面は色とりどりのガラスと陶器の破片で埋め尽くされています。装飾は龍や鳥など、さまざまな動植物がモチーフで、見ればみるほど遊び心満点。

カイディン帝は派手好き、新しい物好き、おまけに無宗教だったため、東西のさまざまな建築様式や宗教の様式が混在した、奇抜な建物が生まれたのです。この空間を見れば、カイディン帝が「人と違うこと」にこだわる性格だったことがうかがえますね。

天蓋の下に鎮座する皇帝の像は等身大で、表面は金箔で覆われ、黄金色に輝いています。カイディン帝はグエン朝の歴代皇帝のなかで唯一埋葬場所がわかっている皇帝で、像の下では、カイディン帝が永遠の眠りに・・・

帝陵建設のために20%も税金を上げられた当時の国民からすればたまったものではありませんが、今となっては、カイディン帝陵、は世界のほかのどの建物とも違う、唯一無二の建築物。情緒あふれる王宮とはまったく異なる、カイディン帝の奇抜な世界観を体感してみませんか。

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