ドレスデン旧市街のバロック建築群のなかでも、ザクセン王国の栄華を最もよく伝えているのが、ツヴィンガ―宮殿。17世紀末に即位したアウグスト強王の時代に建てられたもので、「ドイツ・バロックの傑作」と称されます。

19世紀には、ゼンパーオペラを設計した建築家ゼンパーが、北側部分をイタリア・ルネッサンス様式で増築。広大な中庭をもつ壮麗なる宮殿は、往時のザクセン王国の繁栄ぶりを物語っています。

現在は、「アルテ・マイスター絵画館」や「陶磁器コレクション」など、複数のミュージアムとして利用されており、ラファエロの「システィーナのマドンナ」やマイセンの逸品は必見です。

ツヴィンガ―宮殿の斜め向かいに建つのが、レジデンツ宮殿。かつてのザクセン王の居城で、バロック様式やルネッサンス様式が混在した堂々たる建物です。

現在は、ザクセン王国の至宝が並ぶ「緑の丸天井」と呼ばれる博物館となっており、豪華な部屋に中世~初期ルネッサンス期にかけての財宝を展示する「歴史的緑の丸天井」と、16世紀以降の工芸品を展示する「新しい緑の丸天井」などに分かれています。

「歴史的緑の丸天井」は、時間指定入館券でのみ見学可能。チケットは宮殿内の窓口でも購入できますが、事前のオンライン購入が確実です。

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