「ドイツの世界遺産の大聖堂」と聞けば、真っ先にケルン大聖堂を思い浮かべる人が多いことでしょう。しかしドイツには、ほかにも世界遺産の大聖堂がいくつもあります。

そのひとつが、ドイツ南西部の町シュパイヤーにある、シュパイヤー大聖堂。1030年に建設が始まった世界最大級のロマネスク様式の教会で、1981年にドイツで2番目の世界文化遺産に登録されました。

のちの建築史への影響もさることながら、歴代の皇帝や王の墓所があることから、歴史的重要性も計り知れません。

シュパイヤーへのアクセスは、ハイデルベルクからSバーン(近郊列車)で約50分。シュパイヤー中央駅から大聖堂までは、徒歩約15分です。

シュパイヤーのメインストリート、ヨハネス通りを歩いていると次第に見えてくるのが、古色蒼然とした趣のある大聖堂。

正面から見ると極端に大きくは見えませんが、横から見るとその巨大さがわかります。全長は133メートル。ロマネスク様式の教会としては世界最大級で知られ、重厚なたたずまいには、見る者を圧倒する迫力があります。

複雑な造形のシュパイヤー大聖堂は、見る角度によってまったく印象が異なるので、ぜひ正面から、横から、背後からと、さまざまな位置からの眺めを楽しんでください。

もともとシュパイヤー大聖堂は、神聖ローマ帝国皇帝コンラート2世が自らの墓所として建設を始めたもの。孫のハインリヒ4世時代の1061年に献堂式が行われました。

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