シュパイヤー大聖堂のハイライトともいえるのが、歴代の皇帝や王が眠るクリプタ(地下聖堂)。クリプタを備えた教会は珍しくありませんが、シュパイヤー大聖堂のものはドイツ最大にして最も美しいといわれる特別なクリプタなのです。

ロマネスク様式のクリプタとしては世界最大で、全長46メートル。幅35メートル。シュパイヤー大聖堂の最も古い部分にあたり、赤と白の模様が施されたアーチが連なる空間には、この世とあの世の境目のような、幻想的な雰囲気が漂っています。

それ自体が小さな教会ほどの規模を誇るこのクリプタには、コンラート2世をはじめ、歴代の皇帝やその家族、司教らが眠っています。

およそ200年にわたって、皇帝や王たちはこのクリプタを永眠の地に選んできました。こうした背景から、シュパイヤー大聖堂は、ドイツで最も重要な皇帝や王の墓所であり、「皇帝の大聖堂」とも称されています。

堂々たる外観と世界屈指のクリプタを有するシュパイヤー大聖堂は、歴史に彩られたドイツを代表する大聖堂のひとつ。それでいて、ケルン大聖堂に比べるとずっと観光客が少なく、いにしえの素朴な雰囲気を感じることができます。

ハイデルベルクからわずか50分。ドイツ南西部を旅するなら、1000年近い歴史を誇る「皇帝の大聖堂」に足を運んでみませんか。

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