南ドイツを縦断するロマンチック街道のネルトリンゲンでは、3年に一度だけ歴史的な「城壁祭り」が開催されます。城壁にぐるりと囲まれた旧市街には手工業者や道化師、中世の衣装に身をまとった人々が集まり、まるで過去にタイムスリップしたかのよう。各所で披露される歌やダンス、民族衣装を身にまとった人々らが参加するパレードなど、見どころも満載です。

旧市街を囲む城壁に守られているネルトリンゲンの町。城壁の外からは既にお祭り仕様におめかしをした大聖堂の塔が見え、気分を盛り上げてくれます。城門を守る門番に「通行税」を支払ったら、いよいよ中世の町へ足を踏み入れてみましょう。

城壁のなかには中世の職人が各所に店を構え、通りゆく人々が真剣に品定めをしています。店に並ぶ商品は牛の角の形をしたカップや鉄細工、はちみつワインといった中世市ならではの品々。

大聖堂から西へ歩いたところにある広場では、靴職人やブリキ職人たちが実際に作業している様子を観察することができます。慣れた手つきでいとも簡単に作品を仕上げてしまいますが、これは長年の経験があってこそ成せること。

石畳や壁をせっせと作る職人たち。現在まで残されているネルトリンゲンの建物や城壁も、この様にして造られたのでしょうね。

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