味噌や塩、醤油やとんこつなどスープひとつとってみても奥が深い麺料理・ラーメン。

それぞれの地域にご当地グルメがあるように、ラーメンにもその土地ならではのご当地ラーメンがあります。なかでも魚介のだし系ラーメンは、カツオやあさり、マグロなど、スープに使う魚介類の種類も豊富です。

新鮮な魚が獲れることで有名な宮城県の石巻市は、様々な魚介類を使った料理が名物ですが、最高の味わいを楽しめるラーメンが生まれた場所でもあります。

今回は、石巻市発祥のさっぱりとしていながらも、美味しいコクを楽しめる「サバだしラーメン」をご紹介しましょう。

お店の名前は名店「食堂亀鶴(きかく)」です。

サバだしラーメンで知られているのは石巻市の飯野川地区。

東北一の大河である北上川の下流、西岸の地域に位置しており、冬になると白鳥が飛来したり、川ではしじみや鮭、さくらますがとれたりと、自然が豊かな地域です。

昔ながらの商店街の風景が残っているこちらのエリアでは、もともと日常の食事にも多くサバだしを使っていたと言われています。

2011年には石巻専修大学の学生たちが地域の食文化のサバだしに着目し、地元商店や企業と協力。サバのあらで取っただしをベースにした「サバだしラーメン」を考案し、全国的に広く知られるようになりました。

飯野川地区にはラーメン店が数軒並びますが、なかでも食堂亀鶴は老舗の名店のひとつ。

昭和15年の創業当初からサバ節をスープに使用しており、秘伝のスープを味わうことができます。店内はテーブル席が並ぶアットホームな雰囲気で、壁には芸能人のサインなども飾られています。

看板メニューはなんといっても、新鮮な三陸産のサバを使ったサバだしラーメン。風味豊かなあっさり系のスープと、喉を潤す芳醇なサバだしがたまりません。

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