オスマン帝国最初の首都がおかれ、山や丘に囲まれた緑の多いトルコ北西部の街、ブルサ。

オスマン朝初期のモスクや歴代スルタンたちの霊廟が数多く残っており、チェキルゲという温泉街や、オスマン朝時代の古い街並みが残るジュマールクズク、ヨーロッパの美しい村30選にも選出されたギョルヤズ村、さらには名物料理のイスケンデル・ケバブなどが有名です。ブルサはトルコ国内のみならず、世界中からの旅行者の注目を集める世界遺産の街なのです。

そんなブルサは、かつてシルクロードの西端の都市として栄えたという歴史を持ちます。

古今東西の品々の取引行われていたのは、ブルサの大モスク、ウル・ジャーミィの裏道あたりに点在するハンという場所でした。ハンというのは隊商宿のことで、中庭を囲んだ四角形の構造をしており、一階と二階に小部屋が並んでいるのが特徴です。昔の商人たちは、馬を中庭につないでおき、重要な荷物は部屋に持ち込んだり、商人自身もそこで寝泊まりしていたのです。

ウル・ジャーミィの裏手には、バヤジット2世によって造られた、かつて繭の取引が盛んに行われていたコザ・ハン(繭のハン)をはじめ、フィダン・ハン(苗木のハン)、ゲイヴェ・ハン(協同組合のハン)、イペッキ・ハン(絹のハン)といった大小様々な規模のハンが今でも残っています。

いまでこそシルクロード時代のように取引は行われていないものの、そういったハンや、ハンとハンを結ぶアーケード付きの市場での通りでは、ブルサの昔ながらの名産品を手に入れることができ、ブルサ土産にもぴったりなのです。

温泉が有名なブルサでは、ハマムで使うような垢すりの手袋やタオル製品が有名です。またハンの名前からも分かるように、シルク製品、特に女性がモスクに行くときには欠かすことができないスカーフやストールが有名で、その数や大きさ、模様も様々です。シンプルな模様のものなら10TLくらいから、高級なシルク製のもので手の込んだ模様が施されているものは30TLくらいから手に入ることが多いです。

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