ボスポラス海峡によって大陸をヨーロッパとアジアに二分されるトルコ最大の都市、イスタンブール。
ヨーロッパ側の旧市街地は、かつてローマ帝国、ビザンツ帝国、そしてオスマン帝国という大帝国の帝都として栄え、現在では「イスタンブール歴史地区」として世界遺産に登録されています。
イスタンブール歴史地区で注目されるのは、やはりアヤソフィア博物館やトプカプ宮殿、ブルーモスクといったガイドブックによく載っているようなスポットですが、世界遺産の街には興味深い歴史を持つ地区や建築物がまだまだ隠されています。
特に最近注目を集めているのがバラットという地区です。写真映えがすると若者の間で注目を集めているバラット地区ですが、実はイスタンブールにおけるギリシア人、ユダヤ人と深く関わっているスポットなのです。
ヨーロッパ側の大陸をさらに旧市街と新市街に分ける金角湾沿いにあるのがバラット地区です。急な斜面に二階窓が張り出しになったオスマン家屋や、カラフルにペイントされたおとぎ話にでてきそうな家、かと思えば、コンスタンティノープル総主教座が置かれている聖ゲオルギオス教会や、ブルガリア人が建てた聖ステファン教会、1454年に創立されたイスタンブールで最も古いギリシア人のための学校、オスマン帝国時代になってから建てられたモスクなどがあり、歴史や宗教、様々な人種が入り混じった不思議でどこかノスタルジックな地区なのです。
そんなバラットの急斜面を登りつめた丘の上に建つ、真っ赤なペイントと円形の不思議な形が印象的な建物が「血の教会」です。この地区に残る数ある歴史ある建築物の中でも、ひときわ目を引く外観が印象的な教会には、あまり知られていない興味深い歴史が隠されています。
この教会の起源はなんと7世紀にまで遡ります。
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